ONO CLUTURE FOUNDATION

一般社団法人小野文化財団は、2017年9月19日大安吉日に設立いたしました。当財団の設立の発起人であり、代表理事を務めております小野ひとみよりご挨拶申し上げます。

当財団の目的と事業は、定款でお示ししておりますように、文化の振興と将来を担う日本のアーティストの支援ということですが、加えて申し上げますと、当法人の設立の動機であり具体的な目的は、「伝承」「継承」を支援することにあります。

まず、当財団の設立は、私が「継承」したことで可能になりました。
私の父は起業家でしたが、その社是は、「所期報公・所期公正・立業創意」の3つでした。その意味は、わかりやすく申しますと、「社会に貢献することを第一の目標とし、どんな競争や逆境におかれても、うしろ暗い誘惑に屈せずに公明正大に仕事をする。社員一人一人の個性や能力を最大に活かし、独自の創意工夫した製品を生産する」ということでした。

私は、父とは違う音楽と教育という分野で活動をしておりますが、そこでもこの父の言う精神は受け継ぐことができるのではないかと長年考えてまいりました。

当財団主催の企画や支援をさせて頂く事業の場では、関係者、指導者、受講者、参加者などすべての人が、世代や分野など様々な垣根を越えて、公明正大に学び合うことで、それぞれのアーティストの個性が開花していき、結果、社会に喜びをもたらすことができたらと願っております。

もうひとつ、私が「継承」させて頂きたいことは、世界的なヴィオリストで、マスターティーチャーの今井信子先生の活動を身近で見させて頂き、時にはお手伝いをさせて頂きながら、感じ入ったことです。

いかに人が、誠意と信念を持って人に向かわなければ、文化、芸術というものは伝わらないのか、ややもすれば、全てが“データ”という情報で伝達されてしまう今の世の中だからこそ、パフォーマーとオーディエンス、または、指導者と生徒など、向き合う立場や相手は違っても、人と人が実際に向きあうこと、その時間と空間こそが、ますます大切なのだということを教えていただきました。

日本人は、歴史的にみても、文化や言葉、そして世代を超えて、先人の貴重な教えを伝承、継承していくことに長けております。
今後もその優れた能力を失うことなく、先人の貴重な教えを伝承、継承していくために、当財団は、特に10代のアーティストの卵たちのために、若い世代の優れたアーティストに、文化、言語、世代の橋渡しをする指導者になってもらい、マスターティーチャーからの真髄の伝承、継承に貢献してもらう企画を展開していきます。

当財団の活動が文化の振興に少しでも役立つように努めてまいりますので、ご支援、ご高配を賜りますようお願い申し上げます。

ツールバーへスキップ